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All depends on their temperaments

RTも作り終え、授業まであと20分ほど。

「蹉跌」II部、今度こそ本当に唐突ながら完としました。
もし続きをお読みになりたい方がいらっしゃいましたら、ファン・レターならぬ
ファン・コメントをくださいませ。

小説では8ヶ月ほど先のことを書いていましたが、
ずっと思っていました、ちゃんと未来はあるんだろうかって。

世の趨勢は本当に抜き差しならなくなっているのかもしれません。

同盟国の安全を考えると、トランプは先制攻撃はできないという見方が優勢ですが、
一触即発なのは疑いなく、そのときの冷静さをボンボンと不動産王(この人もボンボンだ
けれども)が保てるかという問題なのです。

本当に、怖いです。
たった2人の冷静さにかかっているなんてね、信じがたい数の人々の命が。


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蹉跌集め II-19 <完> [小説]

19

MNEMOは帰国歓迎会の後、九十九里・横芝光町の「不動明王御上陸之地」へ
スティックの運転で連れて行ってもらった。

不動明王の像にお参りしてから、明王が遥かを見つめられているその先、
つまりは渡ってきたばかりの太平洋の東の果て、目が見えても見えはしない
サンフランシスコに向き合った。

「McGuinnessさん、ありがとう。そしてお安らかに。」

MNEMOはそう言って、浜風の匂いを惜しみながら狛江へ帰った。



SUBTLYのT2aTの視聴回数は一気にまた増加した。
悠奈もRAJOYも同じチャンネルにPVを載せるという。
清や発見にコメントを読んでもらいながら、MNEMOは勇気づけられたが、
中には心ないコメントもあった。清や発見にはそういうものも跳ばさず読むように
言っておいた。

「Unfathomable.」

MNEMOはそういうコメントの後は必ずそう言った。

木野先生にもチロにも8日夜に挨拶に行ったが、清が言うには雲が空全体を覆い、
オリオンは見えないとのことだった。木野先生もお出ましにはならなかった。


翌12月9日、漱石忌だ。
MNEMOは清に雑司が谷の漱石の墓へ連れて行ってもらった。
17年ぶりのことだった。
日本時間では9日ながら、アメリカ東部では8日であり、Johnの命日だ。
MNEMOは漱石の墓の前でJohnの#9 Dreamを聴いた。
漱石は『夢十夜』、Johnは#9 Dream
どちらも両親の愛に恵まれなかった天才。
特に早くに失った母を慕い続けた。

Took a walk down the street
Through the heat whispered trees
I thought I could hear
Hear
Hear
Hear

Somebody call out my name
As it started to rain
Two spirits dancing so strange


通りを散歩した
暑さの中木々が囁いた
聞こえる気がした
聞こえる
聞こえる
聞こえる

誰かが僕の名を呼ぶ
雨が降り出して
ふたつの魂が奇妙に踊っているんだ


MNEMOにはその「ふたつの魂」の奇妙な踊りが<見えた>。

そのときー



第二部 <完>




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蹉跌集め II-18 [小説]

18

12月初め、MNEMOが発見(ほつみ)と清(さやか)に連れられて帰国した。
うれしいことに、SUBTLY、藤熊、悠奈と永、Somogumiの関係者ばかりか、
RAJOYのメンバーも全員成田まで来てくれたのだ。

ニュース・ヴァリューもあるから、報道各社も取材に来た。一言と問われ、

「Peace & Loveを歌い続けます」

とだけMNEMOは言った。

帰国歓迎会は、粟田の手配で成田市内の鰻屋の離れで行われた。

「え〜、これからMNEMOの音楽への情熱、意志が鰻登りとなることを祈念して、
カンパ〜イ!」

粟田の音頭でみなが杯を上げた。

「え〜、ユナイテッド航空は避けることができ、オーヴァーブッキングもなかったようで、
無事帰国できました。」

MNEMOが戯けて一声を上げた。

「とは云え、日本に無事戻っても、アメリカより安全なのか全く分かりませんし、
正直帰ってくるのが怖かった。」

みんな飲むのをやめてしまう。

「本当に、ひとりの歌手が何を歌おうが空しいっていうのが本音です。世の<すさみ>は
もう限界点に達しています。もう、ほんのささいなきっかけで世界の終焉という局面に
至ってしまう。」

MNEMOはサングラスを取る。

「こんなんなってしまいました。」

一同が目を背けたい気持ちになる。

「こんなんなってしまいましたと言いつつ、自分ではどんなんなったのか、見えません。
嫌なもの、怖いものを、もう見なくて済みます。それはありがたいことかもしれない。
でも、見たいものが見られなくなってしまいました。絶望的です。
病院の許可を得て付き添ってくださった小梅屋清さんのお顔も当然見えません。
視覚以外の四感で彼女を認識しているのです。一番の頼りは触覚ですと言ったら、
ちょっと問題になってしまうので・・・」

みながクスッと笑って、ようやくまた飲みだす。

「では、嗅覚かっていうと、また何を嗅いだんだってなってしまうしー」

みなが爆笑になる。

「味覚だったら、もっと問題だ。」

清が真っ赤になっている。

「だから、ええ、聴覚ですね、これしかないと言っていいくらいだ。
彼女のナース・シューズの靴底と床が擦れ合って出す音や、リズム、むろん彼女の声、
鼻歌とかですね、それで彼女を認識する。きっとかわいい子でしょうね。」

一同が拍手をする。

「ナースなんていう存在がこの世にあるかぎり、人類は捨てたもんじゃないですよ。
人の命を救うため、それこそ命を賭している人が大勢いるのも確かでしょう?
そういう人々を嘲笑うかのように爆弾を落としたり、銃弾を浴びせたりする愚か者も
また大勢いるのだけれど、きっと神仏はそういう者たちを容赦しません。
神仏は沈黙しているようだけれど、必ず見てくださっていますよ。そしてどうされるか、
それが分かったら我々は神仏になってしまう。それは無理というものです。
unfathomableという英語があって、測り知れないって意味ですけど、
僕はこの間ニュースを聞いていて、いつもunfathomableと呟いてきた。
この愚かな人為の報いはどうなるのか、と問うていたからです。」

MNEMOは清からビールをグラスを手渡してもらい、少しだけ口に含んだ。

「うまいなあ!ビールは2ヶ月ぶりかな。
・・・僕は10月8日に撃たれました。John Lennonの誕生日前日で、多くの人が
『Johnおめでとう』、『今こそIMAGINEを』というプラカードを持っていました。
この映像が私の脳裏に焼きついたほぼ最後のものとなりました。
そしてこの日はまたチロという私の<恩師の猫>の命日でした。
この2者は私の人生を変えた重要な人、そして動物です。

この2者のおかげで私は命までは奪われなかったと確信しています。」

粟田が拍手をし、みなが続いた。

「奪われなかった命を、これからどう生きるのか。それは自明です。
火を見るよりも明らかです、と言いつつ見えませんが。
私は一神教の信者ではありませんがー

みんな神の子だろう、と。
神の子同士が殺し合ったら、神への背信でしょう、と。
悪魔の子だと思うような者でも、その悪魔すら神の子でしょう?
だって神はすべてを創られたのでしょう?

私は歌い続けます。
みなさん、どうかお助けください。」


<つづく>



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2017 卯月雑記 2

今朝の「深夜便」4時台は、狂言の大蔵さんという方が「日本の音」について
語っていく新コーナーでした。

曰く、「狂言では誰も傷つかない、殺されない」と。
また「和とはおおらかさ」と。
その言やよし。
そして第一回の日本の音は、鼓でした。
これもよし。

それでも「僕的には」という言い方をされて私は引いた。
そんな日本語の「音」は嫌ですね、<僕としては>。

*

「学芸員はガン、一掃すべき」と地方創生大臣サマ。
すてきな言い回し、批判の仕方にうっとり。
ほんとにすてきな大臣サマばっかり。
「妄言大臣はガン、一掃すべき」って言われたらどう思うのか。

*

Mick師に言われたのですが、コメントすんの手続き煩雑でやりにくい、と。
コメントと例の認証英文字入力だけでいいですから。よろしく。

*

今日は春の嵐とか。
夜明け前、そして黎明時、東京は穏やかでしたが、これからか。
今朝はどっきりしました。
悠奈と思しき若い女性が、ヘッドフォンをして河原の方へ下りて行ったのです。
「おお!」
これは夢や幽霊ではなくて。
もちろんあなたは悠奈ちゃんですかなんて訊かなかったけれど。
初めて見かけたので、大学一年生ですかね。

*

京浜急行の踏切で老人を助けようとして亡くなった児玉さん。
なんという尊い行為だろうか!
52歳、横浜銀行の方だそうだ。

こういう方がいらっしゃる事実に触れ、ただただ頭が下がる。

自分を含めて、勇気なき身を恥じる人多かれ、と思う。


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