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蹉跌集め -57- [小説]

57

光がJAPPSのメンバーに集合をかけた。
いつもとは違って、直接登戸にみなを呼んだ。
昼食を安くてうまい中華屋でとりながら話そう、と。
前日SUBTLY Mark IIが悠奈と食事をしたところだ。そのことは誰も知らない。

「またも来ました、多摩川べり。」

千葉九十九里出身で、今は下総中山に住み、遠くからやって来た周平が言った。

「わりぃ。なんかこの話は俺のホームグラウンドでしたかったんだ。」

「え?地の神さまのご加護とか?光、クリスチャンじゃん。」

「気を重視したいんだよ。」

「ああ。」

ケンスキーが頷いた。

「悠奈=藤熊=MNEMO=木野パワーに横溢する対岸の東京側ー
多摩川を挟んで、神奈川側でそれに負けんとする気を発したいってこと?」

「・・・。」

「そんなことで気張んなくてもいいと思うけど。まあ、いいや。それで?」

「まず、Scales of Desireの詞は改めた。」

光が歌詞を配る。


Scales of Desire
I'm not gonna let them come off
Scales of Desire
Gon' protect you with this armor of love
From every wicked guy
Who says he's just dropped by
To ask you how you've been
But beware, he's simply green

欲望の鱗
俺は剥がさない
欲望の鱗
この愛の鎧で
邪なヤツから
お前を守る
ヤツはちょっと立ち寄ったと言う
どうしているか訊こうかと
でも気をつけろ、ヤツはただ嫉妬しているんだ


「おいおい、結局ドロドロじゃん!」

周平が呆れたように声を上げる。

「コーラス見ろよ!」

光が苛立って言った。


I'm a dragon who can never be beat
I'm a rainbow arching just over you
The music's written on it, now you'll read
And soar in the sky so I can hear you
Singing in praise of my love for you
And touch me in praise of my love for you

俺は無敵の竜なんだ
俺はお前の真上に架かる虹なんだ
その虹の上にはメロディーがのっている、さあ読んでくれ
そして空へ舞い上がるんだ
僕が聞こえるように
君が僕の君への愛を讃えて歌うのを
そして僕の君への愛を讃えて僕に触れてくれ


「う〜ん。」

周平が唸った。

「愛の鱗から、竜ときたか。なるほど。」

ケンスキーが感心する。

「前向きな歌んなったな。」

芳樹が言う。

「ちょっと前向きすぎて、youが引くかもしれないけど。」

周平が忌憚なく言う。

「最後には気づいてくれるんだ、youが。」

光が言った。

「you<な>じゃないの?」

周平がまた諧謔をカマす。

「いいよ、光!ありがとう。いい歌詞をつけてくれた。」

とうとう口を開いた作曲者の幸嗣は感激のことばを吐く。

「さすがは光だ。俺の心境そのものだ。」

「<俺の>心境そのものなんだよ。」

光が笑って反論する。

「幸嗣もwicked guyなんだぞ。」

幸嗣も笑う。

「なにを!お前こそだ!」

JAPPSのみんなが笑う。
中国東北部から来たという女性店員がニコニコと彼らを見ていた。


<つづく>




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