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After singing the willow for years

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狛江市西河原公園にある戦没者慰霊碑前には、
柳絮(りゅうじょ=柳の綿のような種子)が吹きだまっていました。
ところが、柳の木は何処、と探してみましたが、見つからなかった。
どうしてでしょうか。

中国の風習に、別れる人に柳の枝を折って贈るというのがあったらしい。
しなやかな枝は、「元に返る」から、ということらしい。
調べてみると、英語にも同様の慣用句があったのです。
wear/sing the willow: 失恋する・愛する人との死別(惜別)を悲しむ、
というものです。

日本の慣用句だと、「柳に風」がなんと言っても代表です。
ここで柳は中・英の上の慣用句とはだいぶ違った使われ方をしています。

なにしろ「sing the willow」というのは美しい表現ですね。
柳はどうも英語では「lamentation(嘆き悲しむこと)」に一致するらしい。
同意語のululationなんていうのは、字面も悲しんでいる。
これは狼なんかのあの「ウゥ~」と泣くように吠えることで、
柳が強風で枝を震わせる時の音がこの声に似ているからでしょうね。

私の生家の前には大きな柳の木がありました。
これがululateするのを何度聞いたかわかりません。
それは確かに悲しげな音だった。

戦没者慰霊碑の前に吹きだまる、その柳の絮(わた)。
柳自体が無謀な戦争で前途を奪われた人々の死を嘆いている。
柳が、sing the willowしている。


「柳」という感じは、「りゅう」と読みますが、「流」と同系です。
枝が流れているようですものね。
枝垂れのヤナギは「柳」、垂れないのは「楊」だそうです。

水に流す、という慣用句が日本語にはありますね。
さしずめ「風に流す」でいきましょう、悲しみは。
「楊」は「よう」であり、「揚がる」です。
Look downした後はlook upするしかない。
項垂れたままで生きていけるはずはないのですから。

漱石先生の言われたように、「全てを癒す時の流れに従つて下れ」です。

さうして悲しい別れの歌の後は、陽気なrockで行きませう!


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